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【墨描き前のなごや帯】

2024.12.5 / 制作

【なごや帯 雲取辻が花】
制作途中=墨描き前

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普段完成品をお見せするばかりですので、珍しく
墨描きをする前のなごや帯、お太鼓部分のご紹介です。

〇絞りは柄の隙間、間隔が大切

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ご覧いただくと、絞りと絞りの間がとても近接しているのがお分かりでしょうか。

実はこの狭い間隔(数mm)で柄を詰めて絞り上げるということは、とても高い技術が必要になります。
絞れば絞るほど、絞りにくくなり、それを想定しておかないと途中で絞れなくなる場合もあります。

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また、詰めすぎると間に色が入らなくなるので、
その加減を考えながら下絵を描いています。
柄を描きながらも、常に柄と柄の間隔を意識しながら草稿、下絵を描いています。


絞りと絞りが離れていると作業はとても楽です。
1cm以上あけてぽんぽんと柄を配置すれば、絞っても各々あまり干渉しないのでとても絞りやすいのです。

しかし、間をあけるということは正に間が抜けているような、野暮ったい感じが出るように感じてしまいます。


反対に、絞りが近接していると、柄に緊張感が出て引き締まった感じになります。
安土桃山時代の辻が花をご覧いただいても分かるように、大胆な柄行きながらも繊細な絞りが詰まっていて、格のたかさも感じられます。

絞りのものを見る際には、その辺りを意識してご覧いただけるとおもしろいと思います。

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制作のことやイベント・展覧会情報、日々の仕事で感じたこと、京都のことなど綴っていきます。
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